
春野事典
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UPDATE : 2009/04/03 11:45:40 | データ件数 : 33件
「り〜」は、1件です。
洪水を止めた二匹の竜(昔話「ふるさと春野の伝説」より)【こうずいをとめたにひきのりゅう】
その昔、犬居の集落では大雨が降ると気田川で洪水が起こり、田畑や家が流されるなど大きな被害を受けることが度々あり、村の人達はとても困っていたそうです。ある年の事、やはり大水が出て犬居の堤防が切れそうになりました。村人は必死になって堤防が壊れないように、石や土嚢を積んで大水と闘いました。
しかし、水高は増すばかりで、荒れ狂う泥水は今にも堤防を破って村の中に流れ込みそうになりました。堤防の大きな土の固まりは、ものすごい音を立てて削り取られていきます。もはや人の力では、どうすることもできません。
それでも村人は、神に祈りながら全力で水を防ぎ止めようと頑張りました。
その時、突然真っ暗な雲が空を覆い、風に乗って二匹の大きな竜が現れました。二匹竜は切れかかる寸前の堤防の前に立ちふさがり、濁流から堤防を守りました。
やがて、水が引きはじめ、空が明るくなってきた頃、二匹の竜は雲の彼方に去って行きました。
こうして、二匹の竜に助けられ、犬居の村では田畑や家を流されずに済んだそうです。
その後、犬居の村では、毎年5月5日に竹や柳の枝などで竜の形を作り、若い人達がかついで町中を練り歩き、洪水から村を守った竜に感謝する祭りを行うようになりました。
この祭りは、「つなん曳き」と呼ばれ、現在も犬居地区で行われています。
*参考資料:「春野歴史物語」
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