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春野事典

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UPDATE : 2009/04/03 11:45:40 | データ件数 : 33件

「き〜」は、1件です。

京丸牡丹(昔話「ふるさと春野の伝説」より)【きょうまるぼたん】

現在の京丸は、定住する人がいない地域になっており、代々この地区の中心だった藤原本家の旧家屋と阿弥陀堂が残されているだけです。
その昔の京丸は、源氏との戦いに敗れた平家の人々が、都から落ち延びて暮らした場所であるとも考えられています。
この京丸には、牡丹にまつわる伝説が残されています。
ある年のこと、京丸の里に気品のある若い旅人が迷い込んできました。その旅人は、里長の家でしばらく暮らしていましたが、その家の娘で美しく気立てのやさしいことから、里の人々から牡丹姫と呼ばれていた娘と親しくなりました。
しかし、この里のおきてでは他国の見知らぬ旅人と親しくすることは禁じられていました。そのうちに、里長の家で暮らしていた旅人と牡丹姫の姿は、いつしか京丸から見られなくなってしまいました。
その後、里人の話では二人は気田川の流れに身を投げたと言われています。
それ以来、二人の命日とされた日が近づくと、川の流れに乗って里に運ばれてきた牡丹の花びらを、多くの里人が見たということです。
もう一つ、京丸に牡丹にまつわる伝説があります。
いつの頃からか、大変険しく人の近づくことの難しい京丸谷の山腹で、二かかえも三かかえもある幹に、大きさが傘ほどもある牡丹の花が咲くことがあるそうです。
この大きな牡丹の花は、六十年に一度咲くとも言われていますが、その幹のある場所は定かではないため、見つけることが難しく、幻の花と呼ばれています。

*参考資料:「春野歴史物語」

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